いづれの御時にか
いづれの御時にか 女御、更衣あまた候ひたまひける中に
いとやむごとなき際にはあらねど
すぐれてときめきたまふありけり。 「源氏物語 桐壺巻」冒頭より
およそ千年もの昔に、煌びやかな宮中を舞台に描かれた「源氏物語」
その凄さは、考え得るすべての恋愛パターンを網羅し尽くしていることだと思う。
マザコン、ロリコンはもとより、不倫などという道徳観は存在すらしない。
とりわけ究極は「末摘花」だろう。美女に囲まれすぎた光源氏は、赤っ鼻の醜女であった「末摘花」のことがかえって新鮮で忘れられない…と来たもんだ
この壮大な栄枯盛衰、因果応報のラブストーリーを著したという「紫式部」
そしてそのヒロイン「若紫」のちの光源氏の正妻「紫の上」
彼女が併せ持つ気高さと可憐さはここに連綿と受け継がれている。
by heavymoon704 | 2015-09-21 07:04 | PHOTOGRAPH